消化器外科

難治性腹水症の治療

難治性腹水症治療(CART)を知っていますか?

当院では、難治性腹水症に対し、腹水濾過濃縮再静注法(CART)による治療を行っています。難治性腹水症(又は胸水症)の患者さんが、保険適用になります。

肝硬変などによる血液中のアルブミンの低下が原因による腹水や炎症やがん等による腹水に対し、利尿剤などお薬を使用しても軽減できない。治療をしても繰り返し貯まってしまう腹水を難治性腹水と言います。難治性腹水の治療として、腹水濾過濃縮再静注法があります。
お腹に針を刺してたまった腹水をぬき、細菌、がん細胞や血球成分をとりアルブミンなどの有用成分が濃縮された腹水を点滴で戻します。

治療により、全身・栄養状態の改善により、QOL (Quality of Life)が向上します。また、自分のアルブミンを補充することで、未知の病原体に感染する可能性がありません。

【腹水濾過濃縮再静注法】
1. おなかにたまった腹水をぬきます
CART専用の貯留バッグにぬいた腹水をためます。血圧などの急な変化を避けるため、腹水をゆっくりぬきます。
2. ためた腹水を濾過濃縮します
CART専用の貯留バッグにためた腹水から、細菌、がん細胞や血球成分をとりのぞき、アルブミンなどの有用成分を濃縮する操作を行います。
3. 濾過濃縮後の腹水をからだに戻します
アルブミンなどの有用成分が濃縮された腹水を点滴で戻します。

CARTパンフレット