消化器外科

抗がん剤治療(化学療法)

外来通院で化学療法を実施することが可能です。

抗がん剤治療(化学療法)と言えば、以前は入院による治療が主流でしたが、最近では、新しい抗がん剤や副作用を抑える薬と長期間の投与に適した医療機器を組み合わせることにより、外来で化学療法を実施することが可能となりました。癌の種類や症状にもよりますが、仕事を続けながら化学療法で治療を行う人が増えています。

抗がん剤治療とは、抗がん剤を用いて癌を治療することを言います。抗がん剤には、癌細胞の増殖を抑えたり、再発や転移を防いだりする効果があります。手術治療や放射線治療が、癌に対する直接的・局所的な治療であるのに対し、より広い範囲に治療の効果が及ぶことが期待できます。
転移もしくは転移の可能性がある場合や、広範囲に治療が必要な血液やリンパの癌などにも行われます。抗がん剤単独で治療を行うこともありますし、手術治療や放射線治療などの他の治療と抗がん剤治療を組み合わせて行うこともあります。また、一種類の薬剤だけを使う場合と、いくつかの種類の薬剤を組み合わせて治療する場合があり、薬の種類によって飲み薬のものや、点滴や注射のものがあります。

点滴による治療では腕などの静脈に注射針を刺して薬を投与します。点滴回数は、初期治療の手術前や後の場合には4~30回、遠隔転移の場合には,より長期間にわたり点滴が必要になることがあります。抗がん薬の投与を腕の静脈から何度か行っていくうちに、血管が傷つき、血管に針が入りにくくなることがあります。血管に針が入りにくくなると抗がん薬の血管外漏出の危険性が高まってきます。
これらを防ぐために鎖骨付近や上腕や頸部などからチューブ(カテーテル)を心臓近くの静脈に入れて、チューブ先端の薬の注入口を皮下に埋め込む方法があります。このカテーテルと薬の注入口をCVポートといい、CVポートを使用するメリットとしては、簡単・確実に針を刺すことができること、点滴する薬剤による血管炎を起こさないこと、血管外漏出の危険性が少ないこと、検査の際の採血や造影剤の注射も可能となることなどが挙げられます。